パチッ

目を覚ました紅、隣にはキャンデーの壺が置いてあった。

ぐーっと腹の虫が騒いだ。

紅「腹が減った、朝食はいつ始まるんだろうか。」


木田「紅!朝飯だぞ!我について来い!」
朝から元気だな、ザクロねーさん。

紅「ねーさん、おはよう。今行くからまってて。」
私は足に絡みつくスカートを解き、ねーさんの後について行った。

神城「ん、この赤目のガキ誰だっけ?」
猫さんは、トローンとした目で私を眺めた。

紅「えっと…。ねーさん、私は何て名前でしたっけ?」

ベシャッ

勢いよくねーさんは転んだ。

木田「ネコさんはともかく、紅!自分の名前を忘れんな!」

ねーさんは顔についた土をほろいながら起こった。

紅「だそーです、猫さん。私は紅と申しますー。」
寝ぼけている猫さんに私は意地悪く言った。

神城「そーか、紅か。お前、俺の飴の壺返してくれん?」

紅「あ、はい。これですか?」
私は返すためと言うか、食後に食べる予定だった。

神城「これがなきゃ俺死ぬからなー。」

紅「え?死ぬんですか?」
びっくりして猫さんに聞いた。

木田「うん、だって我ら吸血鬼やしねー!」
笑顔で話すねーさんを、私は呆然と聞いていた。

紅「きゅーけつき…。ん?」
私はわからなかった、きゅーけつきとはなんなのか。

ズベシャ

またねーさんが転んだ。

木田「ネコさん、パス。」
ねーさんは猫さんの肩を叩きフラフラと椅子へ向かった。

神城「あ、えー。吸血鬼ってのは、ヒトの血を吸い取る?啜る?牙の生えた怪物のことでーす以上!」

紅「むっ、キバがあるのかっ!」

木田「ネコさん適当だねー。」

紅は神城の頬をつねりながらまじまじと観察した。

紅「ふむ、確かに生えてるね…。」
ぐぅうー

神城「腹が減ったか。お前も食事が必要だな。」