神城「あのさ、お前名前は?」
血塗れの猫ブラッドキャットが私に話しかけてきた。
「私に名前など無い。」
本当に名前は無いのだ、あったなら言うだろう。

神城「じゃあ、名前を決めようぜ?俺らで。」
皆に話しかけた。
私に名前をくれるのか、あなたは優しい人だ。

木田「んー、汝の瞳と髪は綺麗な黒だね。あ、ごめん、メイク落としたからわかんない?我はピエロだよ!」
なんだと!メイク落としても美人ではないか!
どうすればそこまでキレイになれるのだ!

「あぁ、そんなに綺麗ではないだろう。君の赤毛より。私の真黒い髪など。」
私は嫌いだった、皆が金に光る髪や、茶色くなびく髪を持っているのに、私の髪は黒く汚れているようだった。

木田「そうかな?我はネコさんよりはマシだと思うよ。」
ピエロは、横目でブラッドキャットを見ながら言った。

「そうか?私は綺麗だと思うぞ。紅黒い髪。」
始めは黒髪だと思っていたが黒に紅を入れたような色だったことに気がついた。

木田「とりあえず、風呂に入れよう。案内するぞ。」
ピエロは私の手を引きながら小さなテントへ入った。

木田「この桶の中に入ってくれ。」
服を脱がされ、私は暖かい湯に浸かった。

木田「このぼろ布は捨てる、新しい服をもってくるぞ。」
出て行かれた…寂しいな、私は髪を湯の中につけてみた。

「うわぁあぁあ?」

神城「何があったんだ!」
ブラッドキャットが慌ててテントへ入ってきた。

木田「あら?ネコさん?覗きとはいい覚悟だなぁ?って、な、髪が、え?」
ピエロが驚いて服を落としそうになった。
私もびっくりだ、髪が白くなったのだ、湯はかわりに黒くなっている。

「ちょ、いつまでいるつもりなんだ!早く出て行け!血塗れの猫!」

木田「ほい服、あーあ。黒い茹で汁がぁ。」
ピエロは湯を流すと、近くの川から水を汲み、湯を再び沸かした。

服はぴったりのサイズだった。
色が白いから私は真っ白だ。

木田「瞳まで変わるのか?」
ピエロは不思議そうに私の顔を見た。

「瞳?何色になったのだ?」
私は瞳を自分で見れないためピエロに聞いた。

木田「紅。血のように赤い。」