お次はピエロによる様々な芸をご覧あれ、華奢な乙女や、たくましい男性、はたまたセクシーな女性もおります、楽しんでください、時間まで。

私は司会者の言葉にゾクッとした。
皆は先程のショーの謎が解けずに頭を抱えており、司会者の言葉には耳をかさずにいた。

ピエロ達が出てきた、一人だった、華奢な女の子、くるくると回りながら舞台をまわり、舞台の中央でピタッと止まった。

白塗りの顔に真っ赤な紅、右目に大きな星を描き、明るい緑の目はクリッとしていて、女の私でも見惚れる程キレイなピエロだった。

ピエロは後ろを向くと手招きをし、仲間を呼び寄せようとした。
ピエロ少女は首をかしげながら幕に近ずくと、大男と、綺麗な女性が出てきた。

大男は松明を両手に持つと口元に寄せ、火を吹いて見せた。

綺麗な女性は、プラムを三つ持つとジャグリングをして見せ、ピエロ少女がプラムをひとつ、またひとつとその輪の中に放った。

ピエロ少女は、女性とともに上に登り、片方のブランコに乗った女性も反対側のブランコに乗った。
少女はコウモリのように逆さまになり、女性の方に手を伸ばした。
女性もブランコに揺られながら少女の方に手を伸ばした。

ふわりと華奢な体が浮き、くるくると回りながら女性の手を掴みユラユラと揺れ、また女性の手を離れて自分のブランコに戻り、ブランコを勢いよくこぎはじめた、少女も女性も。

二人の体が宙に浮き、反対側の足場へ音もなく降り立った。

皆は呼吸を忘れて少女達を見ていた。
私も見惚れていて、終わる頃には酸欠になっていた。

皆様、ピエロ達に拍手してください!
お次は人形達によるショーです、が少々休憩と致しましょう。

トイレはあちらです。