あたしは、男が投げ捨てた簪を拾って、男の子に手渡した。

「ほいよ!君、なかなか勇気あるんだねぇ!名前は?」

「ありがとう!祥太郎だよ!勇気なら、お姉ちゃんの方があるじゃないか!すごいや!」

可愛い笑顔だこと。
いいよ、愛嬌があって。

「えへ♪それほどでも〜…あるかな?♪よろしく祥太郎!」

「うん!お姉ちゃんかっこいいよ!」

かっこいいとか言われちゃったよ!!
超嬉しい(*≧艸≦)❤︎

「私は祥太郎の姉の雅と申します。助けていただいて、本当にありがとうございました」

うやうやしく礼をしてくれる雅さん。
そんなにかしこまらなくても。

「雅さん!お母さんの形見なら大切にして下さいね♪弟思いなのはよく分かったけど!」

「はい!本当にありがとうございました!機会があれば、またお会いしたいです。では、失礼します!」

「バイバーイ!今度は気をつけてね〜♪」

あたしは2人に手を振って、刀の持ち主を探した。