「ーーぅ♪」

誰かのご機嫌な声が厠の方から聞こえた。

ひかりちゃんと別れてすぐ。

本当は早く部屋に帰るつもりだったんだけど。

「にゃあ」

「……君に出会っちゃったからね……」

そう、屯所の庭に子猫が紛れ込んでいたのだ。

正直、動物が好きな僕としては、見過ごすことはできなかった。

そんなわけで、今の今まで、厠付近の庭で猫と戯れていたわけなんだけど。