「これは失礼いたしました。私は紫波月と申します。ある人の命により、雇われた身となっております。」

「しば漬け?ずいぶん美味しそうな名前で「し、ば、づ、き、と、申します」

しば漬k…もとい、紫波月さんは笑みを絶やすことはない。

…が、あたしにはわかる。


この人、あたしに名前間違えられて怒ってるぞ。((誰でも分かる


こういう表情が読めない人は苦手だなー…。

なんというか、すごい胡散臭い。

ん?というか、ある人って誰?

雇われてるのは分かったけど、一体ここに何の用が?

むむむ?

分からないぞ?

「お伺いいたしますが、貴女様は、如月様でいらっしゃいますか?」

「え?なんで知ってるんですか?」

「そうですか。間違えのないようで良かったです。」

「え?……ヴッ!」

聞き返そうとした時、鳩尾に鈍い痛みが走った。

「任務完了♪」

愉快そうに細められた紫波月さんの目が妖しく光ったように見えたのを最後に、あたしは意識を失った。