「ああ、おはよう。
今日は早いんだね。」
「……おはようございます。」
……月曜日は嫌いだ。
週の始まりで憂鬱になるし、
何より、一時間目の授業がない、
こいつにも会ってしまう。
以前まで見とれてしまうほどだった
さらさらの黒髪も、
余裕のあるような笑みも、
そういうかっこよくみえたところ全部、
やけにちらつく黒髪がむかつくし、
あの笑顔も嫌みったらしく見えてくる。
あんなに好きだったのに、不思議。
たった3日でこんなに嫌いになれるなんて。
「あっ、そう言えば今日、
俺定時で上がれるから、
久しぶりにどっか行く?」
「は?」
あの嫌みったらしい笑顔を浮かべ、
誘ってきた聖司に、思わずもれた声。
きっと私は今、
鬼のような形相で彼を睨んでいるんだろう。
……よくそんな言葉が出てきたわね。
生徒とでも行ってきなさいよ、
浮気男。
ぽろっと言いそうになったその言葉を飲み込んで、ぐっと唇を噛み締める。
「……どうかした?
体調でも悪い?」
「……なんでもない。大丈夫。」
弱味なんてこんなやつに見せたくなくて、
必死で笑顔を作った。