彼の家族を壊したのは私たちなのに、私の家族が壊れてしまったからと彼に縋る私は、



醜くて汚い




再利用することのできない、ゴミ同然だ。






いっそのこと消えてしまえたら、消滅してしまえたらどれほど楽だろうか。いや、もう楽になってしまいたい。




「お前さ、気づいてねえの?」




そう問う彼、本原くんは私に軽蔑の視線を送っていた。



その視線がやけに冷たくて、今の私には心地よかった。




『気づいてねえの?』、その言葉が何を示しているかなんて聞かなくても分かってしまう自分が嫌に無様で、醜い。







―――騙されてるって気づけよ。俺に関わるな。







私は馬鹿だから、このまま知らないフリをする。




「......えっと、何のこと?」






その言葉を聞いた彼の目は、憎悪に染まっていた。