あと少しの時間だった時間も、残りほんのわずか。 家についてしまえば、お別れだから。 あなたは、私の顔を見て傷つくことも、酷い憎悪に苛まれることもなくなる。 いままで迷惑かけて、ごめんね。 利用してごめんね。 最後だけ、昔に戻りたい。わがままを、どうか許して―。 学校を出て、45分。 隣り合う二つの家の前に着く。 本原くんと、私の家。 本当に、タイムリミットが来てしまった。 「じゃあ、また明日」 「ああ」 こちらを視界に入れることなく家に入っていく本原くん。 ―――ばいばい。