もう戻れないんだ。
私は誰にも求められてはいない。
「うん。ごめんねっ。調子乗っちゃった」
ごめんね、私はまたあなたを苦しめようとしています。あなたは、優しいから。
今から私がすることに対して罪悪感を覚えるんだと思う。
ただ、もう少しだけ時間があるから。
少しでも、私を見て。お願いだから。
「ねえ、明日も、一緒に帰れる?」
「ああ」
「嬉しいっ。明日も教室に迎えに行くね」
「...分かった」
明日はないけれど、そう言ってくれたあなたに、私は少し救われた。
本原くん、
いや、優、
―――今までありがとう。

