桐原くんの声はちょっと掠れてる。 うあ、えっと、 離さねぇとか言われても私は桐原くんの想い人でもなんでもないんだけど…… これ以上、その人の身代わりになるのは悪い。 桐原くんにも、私の心臓にも。 「はーい、桐原くんよ離してくださいね?」 ぎゅうっと抱きしめられるとは言っても相手は病人。 スルッと抜け出せる。 私が離れると桐原くんは何事もなかったかのように寝ている。 まったくもう、いい迷惑だわ! 勝手に勘違いして2度も私のこと抱きしめて! 2度もだよ!?