けれど、滝川は俺が自分にキスするわけないとでも思ったのか余裕の表情。
その表情が癪に障って
「へー、いいんだ?」
と言って引き寄せてキスをしている自分がいた。
自分自身が一番驚いた。
唇が触れたのは一瞬。
唇を離すと、いつものぶりっ子の滝川ではなくポカンとしている。
それでも俺にバレていないとでも思ったのか、すぐにいつものぶりっ子に戻る。必死で軌道修正してももう遅い。
俺は表情を変えずにじっと滝川をみる。
本人は目を逸らしていないつもりなんだろうけど目が少しだけ泳いでる。
見逃さねーよ。
確実に、仮面外れたな。
滝川にそう一言残して背を向ける。
ふーん、面白いじゃん。
本当のお前がどんなやつなのか、暴いてやるよ。
なんとなく、楽しくなって口角が上がる。


