春の陽だまりみたいな笑顔が、俺にまっすぐぶつかってきた。
冷えていた俺の心がゆっくりと溶けていった。
初めて知った甘い鼓動。
孤独だった俺がそんな彼女に心を動かされるのはあまりにも簡単だった。
カチャリと鍵が開く音が聞こえた。
扉が開いて飛び込んで来る、彼女と同じくらいの歳の女の子。
その子に抱きついて泣く彼女を横目に俺は気づかれないようにその場を去る。
もう俺は用無しだったから。
安心して泣きじゃくる彼女の横顔を、俺はずっと忘れていない。
温かい笑顔と、花の折り紙から仄かに香る彼女の香り。
胸に残る、甘い鼓動が初恋だと、そう気づいたのはそれからすぐのことだった。


