私の頭が混乱しているさなか、


「これ、覚えてる?」

桐原くんが手のひらに乗せているものを見せてくる。


「お花の、折り紙……」

もうくしゃくしゃになった、

ピンク色の折り紙で作られたお花。

これって、私が

ゆうちゃんにあげた、お花だ。


「どうして、桐原くんが持ってるの?」


どうなってるの?

私の頭には疑問だらけ。


「全部、話す。最後まで、黙って聞いて」

それでも桐原くんは真剣な表情。

私は頷く。

桐原くんの7年前の初恋。その扉が開かれる。