お父様は少しの間考えて、そして
「舞桜を、大切にしない奴にはやらんからな」
拗ねたようにそっぽ向く。
「もう〜誠ちゃんったらなに言ってるの!拗ねるのは後にしてちょうだいっ
ほら、行くわよ行くわよ〜」
拗ねたお父様をなだめることができるのはお母様だけ。今私が何を言っても仕方ない。
お母様がお父様の背中をおして部屋を出る。
それに続いて李玖と康明さんも楽しそうに扉を通る。
「舞桜ちゃん、優雅に何かされたらすぐ叫ぶのよ、いい?」
千佳さんの圧倒されるような剣幕。
「え、あ……はい、ありがとうございます」
最後に千佳さんは私に一言告げると桐原くんをにらんでから外に出る。
バタン、と扉が閉まる。
「なんなんだよ、何もしねーよ」
桐原くんが悔しそうに呟く。なんでもできる桐原くんも、千佳さんには敵わないんだね。
そう思うと、なんだかかわいい。


