「私、は…」
やっと発した言葉も声が掠れて震える。
もっと、はっきり言うんだ。
声を、絞り出す。
「桐原くんとは、ただの同…級生だよ。
桐原くんには1度も…好き、だなんて言ったこと、ない」
目を合わせて、感情を悟られないように……なんて。
「桐原くんに、恋愛感情……なんて、これっぽっち、も」
出来ない。
無理だ。
私がこんなまっすぐな瞳を向けられて、嘘をつき通せるはずがないって
本当は、最初からわかってた。
どんなに自分に言い聞かせても、どんなに自分を押し込んでも、
出来ないものは、やっぱり出来ない、よ。
「……うそです。全部うそ、です。桐原くんが好き、大好き」
震える声、聞こえるかわからないほどの小さい声がこの静寂の空間に響く。


