私、逆高校デビューします!



お父様もお母様も千佳さんも康明さんも、全員が私と桐原くんから目を離さない。


息が詰まる。苦しい。

今まで味わったことのないような締め付けられる想いが私を襲う。


だけど、

「すぅー」

大きく息を吸い込む。

私はここで逃げるわけにはいかない。


桐原くんと目を合わせる。

まっすぐだ。いつだって、桐原くんの瞳はまっすぐなんだ。

逸らすことなんて、出来ない。

見つめかえせばそれだけで、感情がぐちゃぐちゃになって全てを放棄したくなる。思いっきり桐原くんに抱きついて好きって言いたくなる。

だけど、放棄しちゃいけない。私が言うべき言葉は好きって言葉ではないから。


私には言わなきゃいけないことがある、それなのに声が、出てこない。