康明さんと千佳さん。
桐原くんのご両親で、
私のお母様とお父様の……訳ありな友人。
いったい、なにがどうなってるんだろう。
「そうだね、それは……優雅、お前から言うか?」
康明さんが桐原くんに声をかける。
チラッと桐原くんの方を見ると、桐原くんの瞳に迷いはない。
緊迫した空間。
私の心拍数が上昇していく。
想像が、つかない。
桐原くんは、何を言うつもり?
張り詰めた空気の中、桐原くんが大きく息を吸い込む音が聞こえる。
「回りくどいのは嫌いですので単刀直入に言わせていただきます」
桐原くんの視線は私ではなく、まっすぐにお父様とお母様へ向けられている。
一呼吸おく。
心臓に手を当てると、ドクッドクッと血液を送る音が聞こえてくる。
「お嬢様さんを……舞桜さんを俺にください」
桐原くんが頭を下げるのが視界の端に移る。


