ここでは人が多くて話せないってこと、か。
そんなに大事な話なのかな?
それに……昔のことって、なんだろう。
この人とお父様の間になにがあったのかな?
「……わかった。
悪いな、笹本。しばらく藤の間に人を入れないでくれるか?」
お父様は渋々、といった感じで康明さんに承諾する。
「はい、承知しました。
旦那様のご友人様だとは知らず、申し訳ありませんでした。ご無礼、お許しください」
笹本の言葉でここにいる従業員さん全員が康明さんに頭を下げる。
「いやー、俺もアポなしだったからな。こちらこそ、すまないことをしたね。
まあ、誠一が俺とアポなんてとるわけないだろうけど」
失礼な対応をしたにもかかわらず、笑って許してくれる康明さん。
見たところ、悪い人じゃなさそうなのにどうしてお父様とはあんまり仲良くないんだろう?
それに、最後の一言の意味も気になる。


