「行くわよっ舞桜♪」
ルンルンとスキップしながら先に行ってしまうお母様。
なんだろう?なにがそんなに楽しいんだろう?
「舞桜、頑張れ」
お父様が申し訳なさそうに私の肩に手をぽんっと置く。
いったいなんこっちゃ?という感じの私は、
「は、はあ」
としか言いようがない。
どうしてこんなにも2人の態度は対照的なんだろう?
という疑問は藤の間に着くとすぐに解決された。
「お母、様。これ、全部着るんでしょうか?」
藤の間にはずらりと並ぶ色とりどりの綺麗な着物。ざっと数えて20はある。
確かにどれも選べないほど綺麗。
だけど……これを全部着るとなると相当な時間がかかる。
しかも洋服じゃなくて着物だから、一つ一つ着付けしていたら日が暮れてしまう。


