「あ、そうだ!田沢、私たちの荷物宅配便でもうすぐ届くようにしてあるからよろしくね。舞桜へのお土産は全部舞桜の部屋にね」
「かしこまりました」
田沢さんをはじめとするお母様お付きの従業員さんが数十名程で玄関の方へ向かう。
「奥様、私どもは何を致せば……」
笹本がお母様に恐縮しながら聞く。
「あら、希子さん!いつも舞桜のことありがとう〜。
そうね、じゃあ希子さん。お庭にティースペース用意してくれるかしら?今日は天気もいいし、久しぶりに3人でティーパーティーしたくて」
お母様はなぜか、笹本のことだけは『希子さん』って下の名前で呼ぶ。
何で?って昔聞いたことがあるんだけど、どうも笹本の『希子』って名前がものすごく好きなんだとか。
「はい、承知しました」
笹本が頭を下げたところで、お母様がパンッと手を叩く。
「みんな、出迎えありがとう!各自の仕事に戻ってちょうだい〜」
実質上、うちで権力持ってるのはお父様よりお母様なんだよね。
お父様が仕事以外で指示出しているのはあまり見かけない。


