「泣いちゃいけないなんてあるわけないじゃない。最初から、そうやって泣いてなさいよ」
のんが私の隣にしゃがんで、頭をなでてくれる。
のんの手は優しくて私が落ち着くまでずっとそばにいてくれた。
「落ち着いた?」
こくんと頷いて口を開く。
「私ね、傲慢なんだ。
お父様もお母様も大好きだから、2人に嫌われないいい子でいたいの。だからお見合いする。
でも、桐原くんも好きだから手に入れたいとか思ってるの。
さっき最低な言葉でふったくせに。
私、わがままで最低だよね」
ほんとに、私ってどうしてこんなやなやつに成長したんだろう?
「言っとくけど舞桜、それわがままとかじゃないから。舞桜は優しすぎていい子すぎるの、家のことも自分の気持ちもどっちも考えるからよ。私が舞桜なら家のこと放棄してる」
違う、違うんだよのん!
私がいい子だ、なんて言わないでよっ!
ほんとに、最低なんだから。
好きな人を傷つけるんだから、私は。


