「それ、だけじゃないでしょう?」
もう、怖い顔しないでよ、のん。
きっとのんにはお見通しなんだろうな。
でも、言えない。たとえのんでも今日のことは正直には言えない。
ごめんね、のん。
「うふふ〜♪やっぱりのんにはわかっちゃうか〜。
私ね、桐原くんに好きって言われちゃったの!まあでも私はお見合いするからごめんねって断っちゃったんだけどね。いや〜すごいね!私あの桐原くんに告白されたんだよ!自分のこと尊敬したくなっちゃうよ〜。
あ、ちゃんと私がお嬢様だってことバレないように桐原くんには口止めしてあるから大丈」
____パンッ
一瞬、頭が真白になる。
笑っていた表情が凍り付くのが私自身でわかった。
「……え」
私、のんに平手打ちくらった……?
半信半疑の私も、しだいにとジンジンしてくる左頬に打たれたことを実感する。


