覚えてたんだ。
口が緩む、どうしよう。
こんなことで嬉しくな……
って違う違う!
私には言わなきゃいけないことがあるんだから。
そのために好きって気持ち押さえ込んで、口を開くんだから。
嬉しくなってどうするの。
「私ね、お見合いするんだ!」
さみしさなんてこれっぽっちもないみたいにきっぱりと言う。
もちろん、私のできる最高の笑顔で。
「は?」
驚いた表情というよりは、明らかに不機嫌そうな顔。
そうだよね、話まるで噛み合ってないよね。
「だからごめんね。桐原くんの気持ちには答えられないよ」
ねえ、桐原くん。
私はあのときしだれ桜の花言葉には『優美』って意味しか言わなかった。


