「桐原くんっ♡舞桜ね、桐原くんにとぉーってもたいっせつなお話があるの!聞いて、くれるかなぁ?」
散々避けておいて、都合がよすぎるなんてわかってる。
本当は断られても文句なんて言えない立場。
こんなの自分のわがままだってわかってる。
でも、それでも私は、もう一度どうしても桐原くんと話さなきゃいけないから。
「今日の4時に、生徒会準備室で待ってるから。舞桜、ずうっとずうっと待ってるからね?」
あと一度だけ、だから。
きちんと話したい。
お願い。
息の詰まるような空気。
私に背を向けている桐原くんの表情はわからない。
それでも、その大きな背中に必死に訴えかける。
「わかった」
そう、一言だけ。はっきりと言った。
そのまま私に背を向けて歩いていく。
準備は整った。
あとは、私の覚悟だけ。
前を向いて、大きく息を吐く。


