私がわけもわからず泣くもんだから、先生に『今日はひとまず帰りなさい』って言われて、先生が教室から私の鞄を持ってきてくれた。
メイクもだいぶ落ちてたし、ここにていても何も解決しない。
そう思った私は、その言葉に甘えて帰ることにした。
何も考えずに歩いていると、いつの間にか自分の家まで歩いてきていた。
「ただいま」
玄関のドアを開けて、小さくつぶやく。
「それはそっちに運べ!」
「その食器はいらない!」
「レッドカーペットも倉庫から出すぞ!」
なに、これ。
家の中に入ると、従業員さん総出で部屋を片付けてる。
というよりすごい勢いで家の中を駆けずり回ってる。
いったい何が、どうなってるの?
「あのさ、今日なにかあるの?」
近くにいた警備員の橋本さんに声をかける。