「どうして、今までそのことおっしゃってくださらなかったのですか?」
笹本は無理に聞いては来なかったから、知りたくないのかと思ってた。
だけど、本当はずっと聞きたかったんだね。
「ごめんね、笹本。
今まで、無理に聞かないでくれてありがとう」
おかげで、やっと人に話せるようになった。
「一つは、暗くて雷が鳴ってるところに閉じ込められた、あの怖い記憶が今でも少し、トラウマだから。
もう一つは……
思い出すとどうしてもあの子に会いたくなるから。感謝を伝えられなかったことを後悔してもしきれないから」
私はアハハと苦笑いをして、視線を下に向ける。
「その方とは、もう一度お会いすることは出来ないのですか?」
首を横に振る。
私も何度か期待はした。また、どこかパーティーで会えるんじゃないかって。また、いつか会えるって。


