「おー優雅起きたかー?」


しまっていたカーテンが開いて少し眩しい光が入ってくる。


「いっき、か」


さっきよりはハッキリとした瞳に映るのは藤堂 一輝。藤堂グループの御曹司。


本当は「かずき」って読むらしいけど、初めて会ったときに小5だった俺は「いっき」と呼んでそのままあだ名になった。


いっきは俺より二つ年上の高3。


つーかなんでここにいっきがいるんだよ。


「サボってたらお前が担がれてくるんだからな?びっくりさせんなよー」


そうだった。こいつは勝手に人の心を読んでくるエスパーだった。