通学路


「いつもこっちとあっちだったじゃん?」

廉くんが今いる歩道と反対側の歩道を指差す。

「向こう側からいつも見てたんだ、椎名のこと。」

(……私は夢でも見ているのかな?)

「いつも椎名1人で寂しそうに帰っててさ―…って!!
なッ何で泣いてんの!?
オレなんかした!!?」