次に目が冷めると、お母さんの手がおデコに置かれていた。 『おかえり、杏』 『お母さん…』 『無事でよかった』 布団の上からギュッと抱きしめられる。 『心配かけてごめんなさい…』 お母さんがゆっくり頷いてくれた。 『ご飯たべられる?』 『うん…』 『すぐ持ってくるね』 お母さんが階段を降りていく音を聞きながら目を閉じた。