カチカチッと音がしてすぐにタバコの匂いがした。



うつむいたままチラリと横を見ると彼がタバコを吸っている。




若く見えたけどタバコ吸える歳なんだ。




気付かれないように何度か横目で彼の方を見てると、なぜかドキドキした。



彼がゆっくりとタバコを2本吸って、バスが3本通り過ぎた。




『おい、バス乗らねぇの?』





え?




わたし?




話かけられてる??





おそるおそる顔をあげると、私の顔を覗き込んでいる彼が、時刻表を指差しながら繰り返した。




『バ、ス、乗らねぇのか?』






近くで見るとキレイな顔だなぁ



と思った。