電車に15分乗り 駅から少し離れたところにある楽器屋さんの地下スタジオ。 『そのへん座って大人しくしてろよ』 何の予定もない私は、遼のバンド練習を見たいと言って連れてきてもらった。 コンクリートの壁に 重いドア 楽器以外は何もない部屋で 周りの音も聞こえない。 私はパイプ椅子に座り、遼を見た。 『ねぇ、何か歌ってほしい!』