『あたしだって本気にしないわけないから。』


「俺のこと嫌いなくせに。」


いつもなら当たり前でしょ!って言えてたのに。


言葉が出てこない。


本当にあたし変だ。


あたしの質問から気まずくなって戻る時はお互いしゃべらなかった。


だけど、教室に入ろうとすると呼び止められた。


「さっきの冗談忘れてほしい。まぁ、お前と付き合うなんて冗談でも言いた……。」


『本当にどこまでも最低。ばか!』


ああ、この気持ちが何なのか気付いてしまった。


冗談でも嬉しかったのかもしれない。


やっぱ、蒼葉くんは蒼葉くんだよ。


この想い、いつかきっと届く日は来るのか。


いつか、届くといいな。


そう胸に秘めて授業に出た。