「…ったく…」
ファイルを閉じた先生が、ため息をつきながらそれを元の位置に戻した。
「怪我の次は貧血か。一体君は俺をどれだけ……」
「先生」
先生の言葉を遮って、まっすぐ彼を見つめた。
「…先生、私先生が好きだよ」
先生は、何も答えない。
「…先生は……?」
「…俺たちは」
先生は私と視線を合わせることがないまま、背中を向けた。
「ただの、教師と生徒だ。…それ以上でも以下でもない」
「……そうだよ、ね…」
髪の毛をグシャグシャにした先生が、椅子に座って何事もなかったかのようにパソコンをいじり始める。
その背中から読み取れるのは
“拒絶”
…ただそれだけの感情。
「…先生。じゃぁ…最後に一つだけ聞かせて。
先生が教師をやめるのは、私のことが、嫌いだから…?」
ピタリと、先生のキーを打つ手が止まった。
だけど、またすぐに再開されるそれと、冷たく投げつけられた言葉。
「君には関係ない」



