有村優花(アリムラユカ)。
ごくごく普通の女子高生…と言いたいところだが、普通よりも大分ドジでマヌケな女子高生。
体育でハードルを跳べば派手に膝を擦りむき、美術で彫刻刀を握ればなぜか自分の手に突き立てる。
そんな私は保健室の常連で、養護教諭の里中先生には「呪われているんじゃないか」と本気で心配される始末。
ちなみに今日は、家庭科の調理実習でキャベツを切ろうとしたところ、気付いたら自分の指を切っていました。
「…ふぅ、終わった」
真っ青な顔した里中先生が、額から噴き出した冷や汗を拭う。
彼の名前は里中雅(サトナカミヤビ)先生。
我が校唯一の養護教諭で、ハーフのような整った顔立ちを持つ彼は(噂によるとイギリス人のクオーター)女子生徒に大変人気がある。
でも、そんな彼は一つ、養護教諭としては致命的な欠陥を持つ。
それは
「お願いだから頼むから…俺にこれ以上、血を見せないでくれ…」
彼は死ぬほど血が苦手。