え?
好きって…
「な、なにが好きなんですか?」
「えぇっ!?な、何ってそんな」
驚きながらさらに顔を真っ赤にして口をパクパする一木君。
私、常識的に何かおかしいのかも…
軽くへこんでいると、
「…本。そう、僕、本がすきなんです。
なんか、いい本がないかな、と思って、来てみたんだけど…」
そうだったんだ。
「あ、あの、橘さん、も、もしよかったら、お勧めの本とか、教えてくれないかな?」
えぇっ!?
確かに本はたくさん読んでいるけど。そんな、お、教えるなんて、恐れ多い。
それに、私、人見知りだし…
「あ、あの、わたし、そんな、お、教えるとか、苦手で、上手く教えれないと思うんです…」
おずおずと言うと、
「いや、上手くとか、求めてないし、橘さんが、面白いと思う本を、教えてほしいから。
去年、教室でも、ずっとたのしそうに本読んでたから、その、どんな本読んでるのか、きになってて。」
お願いします、と必死になって言ってくれる一木君をみてると、なんかことわるのが申し訳なくおもえてきた。

