4月の終わり、私はいつものように、カウンターに座って、読書をしていた。


今日読んでいたのは、ある王国で、同じ年、
同じ誕生日に生まれた2人の瓜二つの女の子達の話。

1人は王女様で、もう1人は極貧の農家の娘なんだけど、ある日、城から脱走した王女様が、
市場で野菜を売っていた自分と瓜二つの少女に出会い、窮屈な生活にうんざりしていた王女様は、少女に「入れ替わり」をたのむ。

ー城の中に閉じこめられて、毎日お稽古をさせられているのはもう嫌なの。お父様やお母様のお人形は散々!もっと、広い世界が見たい!
新しいことをしたいの!ー

私は、王女様の言葉に激しく共感していた。
私も、いろんな世界を見てみたい。そう思いながら、少女達に思いを馳せていた。

その時。

ーガラッ

扉が開く音がした。