「あれ?橘さん?一木君、何で?」
人と関わらない私が、男の子としゃべっているのにだいぶ驚いているようだ。
確か、
背が高くて、黒髪をポニーテールしてるのは、神田琳(かんだりん)ちゃん。
色白で、柔らかい茶色の髪をお下げにしているのは、野木文奈(のぎふみな)ちゃん。
日本とイギリスのハーフで、少しあかるい髪を、ショートカットにしているのは、須藤エミリー(すどうえみりー)ちゃん。
美少女3姉妹、と私はひそかに呼んでいる。
しゃべったことないけど。
「橘さん、どうしたの?」
と神田さん。
「あ、あっえっ、えっと、そのっ」
「橘さん、僕に勉強教えてくれたんだ。今回の高得点は、橘さんのおかげ。」
一木君がフォローしてくれた。
「そうなんだ~!よかったね!一木君が、あんな点数とるなんて!」
「一木が、自力でとれるわけないもん、あんな点数。」
「明日、槍がふるかもしれないわ…」
「そんなに言う?」
「わははっ直言われてやんの~」
私の目の前で、ポンポン会話が進んでいく。
すごい、なあ……

