一木君の声がした。
大勢の人がいるところで話かけられたのは初めてで、どうして良いか分からず、硬直。
「橘さん、ありがとう!順位、超あがった!20番位!」
固まっている私をよそに、一木君が話しまくった。
「英語、過去最高!初めて、平均までいった!」
はしゃいでいる一木君をみて、我に返った。
点数、あがったんだ…
「……った」
「え?」
「よかった…」
なんでかな、すっごく嬉しい。
「ん。ほんとにありがとう。」
一木君が、にこっと笑っていってくれた。
「直~なにしてんだよ~」
「一木君~どうしたの~?」
さっき一木君と話していた男の子たちと、その人達と仲の良い女の子達が、5人位でやってきた。
女の子達は、たぶん、同じクラス…ん
ヤバいっ!
こっちくるっ!
しゃべったことないよ……

