うちの学校の図書館は、はっきり言って人気がない。
暗くて、少し不気味だ。
そんなんだから、利用者が全くいない。じきは他の図書委員はこなくなった。今では私だけのお城、楽園だ。
毎日放課後ここにきて、最終下校時間まで読書をしている。
物語は、私を裏切らない。
友達も、恋人も、ありのままの私を受け入れてくれる。
だから、私は現実世界に友達や恋人がいなくてもいいと思っていた。
これからも、まわりから忘れられながら、他人に迷惑かけずに、別世界の友達や恋人と、楽しく過ごす。それで私は満たされる。
本気でそう思っていた。

