「じゃ、じゃあ、僕の順位とか、分からない?
」
焦りながら聞いてくる一木君。
「は、はい…ご、ごめんなさい…」
すると、一木君は少しほっとした顔をした。
「よ、良かった~僕のひどい成績、知られてなくて…そうだ!」
何かおもいついたのか、ぽんっ!と手を叩いて、私のほうを向いた。
「橘さん…もし、良かったら、僕に勉強教えてくれませんか?」
…………
えぇっ!?そんな、本もまともに紹介できないのに、勉強なんて、
「そんなっわ、私っそんなに勉強できないしっ」
「橘さん、成績いいじゃないか。去年も、クラス順位、ずっと5番以内だったし。学年でも、だいたい25番以内だったし。どこが勉強できない?」
「そ、それはその、まぐれで…」
「毎回まぐれなわけないでしょ?本当にお願いしますっ!基礎だけでいいので…お願いしますっ!」
…あれ?なんか、凄い既視感を感じるのだけれど…

