私、本の紹介と一木君のこと忘れて、勉強しようとしてた。
「橘さん、勉強してたの?」
「う、うん……テスト前なので…」
「え?テスト勉強、もうしてるの?すごいなあ。僕、基本的に、一夜漬けなんだ」
「そ、そうなんだ…。でも、一夜漬けで、点数とれるんですね。羨ましい……」
私、不器用で効率悪いから、早めに始めないと、直前で慌てちゃうんだよね。
だから、短い時間で勉強出来る人が羨ましいなって、いつもおもってる。
「橘さん…去年、同じクラスだったよね?
僕の学年とクラス順位、見なかったの…?」
一木君が、ため息をつきながら言った。
うちの学校は、結構勉強きびしくて、テストのたびに、クラスに学級順位、廊下に学年順位が
張り出される。
学年中に自分の点数が知られるのは、結構きついけど…
「ごめんなさい…。私、基本自分のしかみなくて」
あんまり人の成績に興味がなくて…

