あの日から約2週間が過ぎて、5月になった。

あの日から、一木君は毎日図書館に来てくれる。

そのたび私は緊張しちゃうんだけど、正直、
嬉しいんだ。

一木君が来ると、図書館が明るくなる。

なんか、そんな気がするんだ。

ここの本を読むのは、基本的に私しかいなかったから、本達が新しい読者を欲しがっていたのかも、などと変なことを考えながら、いつもとは違う、利用者用の広い机についた。