アイロニ




夏樹が大きな声で指を指しながら言う。


その指を辿っていくと、遠くにたくさんの人に囲まれる形で草太くんがいた。


遠くて草太くんがどんな表情をしているのかわからない。


「草太のまわりにいるのって、草太と萩が入ってるグループのメンバーじゃないかな・・・」


私は夏樹の言葉を気にしないまま深く息を吸い込んだ。


「草太くん!!!!!」


届いて・・・!


不安の中、じっと草太くんを見つめると声が届いたのか振り向いてくれた。


すると彼はすぐに駆け寄ってきた。


「草太くん・・・」


「美桜・・・」


「偶然だね」


「そうだな」


会話がぎこちない。


たくさん聞きたいことはあるはずなのに、
いざ本人を目の前にすると何を言っていいのかわからなくなる。


それに顔が見れない。


「・・・俺さ、総長になったんだ」