『草太くんが好き。大好き』
そう告白してから、草太くんから一切返事を聞いてない。
でも、一方的な告白だったし・・・。
それに私が知らないだけで、草太くんには彼女がいたのかもしれない。
海に行った日から時間がたてば経つほど、全てのことが夢に思えてくる。
ボーっと自分の席で肘をつき教室を眺めていたら、
突然視界いっぱいに夏樹の顔が映った。
「何かあたしに隠してることない?」
「え!?・・・別に隠してたわけじゃないけど・・・
この前に休みに草太くんに告白したよ」
それを聞くと、夏樹はニコッと笑ってくれた。
「えらいね!頑張ったじゃん!!」
「全然だよ。凄く緊張したし・・・」
「あと、あたしに相談ぐらいしてほしかったな」
「ご、ごめん・・・」
頭を撫でられ、仕舞いには髪の毛をぐしゃぐしゃにされた。
でも途中でその手は止まる。
不思議に思い夏樹の顔を覗き込むと、少し悲しそうな表情をしていた。