アイロニ




しばらく走ると、綺麗な碧い海が見えてきた。


バイクは紅いテールランプを輝かせ、止まった。


「着いた」


「ありがとう」


バイクから降りながら被っていたヘルメットを脱ぐと、
もっと鮮明に海に蒼が目に映った。


まだシーズンには早いけど、それでもとても綺麗だ。


潮風の匂い。


それと共に揺れる私の少し茶色の髪と淡い緑のカーディガン。


「なんで海?」


「なんとなく」


「何それ」


思わず笑う。


なんとなくでお兄さんのバイクを引っ張り出してきて、
それに私を乗せて海に来るなんて。


でもそれも草太くんらしい。