アイロニ




私たちは特にこれといった会話はせずにひたすら歩き続けた。


するとすぐに私の家に着いた。


「私の家ここだから。ありがとう草太くん。じゃあね」


それだけ言って家の中に入ろうとしたときだった。


「待って」


「何?」と尋ねようとしたら、額に草太の手を乗せられた。


一瞬、何が起こったのか理解できなかったけど、状況を理解してくると一気に体温が上が
ったのを感じた。


「まだ熱あるな。食欲無くてもなにか食べて、薬飲んで寝ろよ」


「う、うん」


「じゃあな」


自転車に跨った草太くんは颯爽と、もと来た道を戻っていった。