アイロニ




「美桜!大丈夫なの!?」


「うん。へーき」


教室に入ると、帰る準備をしていた夏樹が私を見つけてすぐに駆け寄ってきた。


「ちょうど今から迎えに行こうと思ってたんだ」


「ありがとう。帰ろうか」


「うん。あ、ごめんあたしこのまま塾に行かないとだから・・・」


「そっか・・・」


夏樹と一緒に帰れないのか。


最近一緒に帰れていない日が多いから、また帰れないのは寂しいな。


でも塾は仕方ないよね。


我がままばっかり言ってちゃダメだ。


「私、一人で帰れるからいいよ」


「でも熱あるでしょ!それがわかってて一人で帰すなんてできないよ」


「だいじょーぶ!じゃあ、帰るね。バイバイ!」


「あ、コラっ!!」


夏樹の言葉を半分無視して一人で帰ることにした。


家までの距離はそう遠くないし、大丈夫!


履きなれたローファーに履き替えアスファルトの上を歩く。


やっぱりまだ熱があるせいかいつもと違う感覚がする。


まるで宙を歩いているみたいにふわふわしている。


不思議な感覚を楽しんでいるときだった。