アイロニ




「美桜!!!」


視界はぐにゃりとねじ曲がり、真っ白な天井とツーンと鼻を刺す消毒液の匂いがした。


徐々に視界が鮮明になり、止まっていた思考回路の歯車が動き出した。


「夏樹・・・」


「よかった・・・」


「何でいるの?」


「もう一時間目終わったんだよ。それで美桜呼びにきたの・・・」


「そっか。ありがとう」


会話をしながら重たい体を起こす。


「まだ顔色悪いから今日はもう帰ったほうがいいんじゃない?」


「・・・今は帰りたくない」


「・・・ねぇ、美桜。辛いならあの家から離れなよ。
近くのアパートとかに引っ越せばいいじゃない」


「ありがとう。でもいいの」


この時期になると心が不安定になり悪い夢ばかり見る。


そのことをわかっている夏樹。


だから私を気に掛ける言葉をたくさん掛けてくれる。


でもそんな夏樹に笑顔で言う。