自分の本当の気持ちに気付いてからまた季節が流れた。
季節は春から夏に掛けての変わり目である梅雨。
毎日のように大量の雨が降り注ぐ。
私は雨も嫌い。
独特のじめじめとした匂い。
雨によってぬかるんだ地面。
曇天模様の灰色の空。
傘に雨粒があたる音。
全てが私をあの3年前のあの日に戻させる。
「美桜、顔色悪いよ」
「大丈夫だよ。ちょっと疲れてるだけ」
「あんまりさ、一人で抱え込まないでよ。あたしだっているんだから」
「ありがとう」
優しくそして力強い言葉を掛けてくれる夏樹。
それが今の私にとって心からの支えとなる。
それにしても、夏樹に言われたとおり今日はいつもより調子がよくないな・・・。
体がだるいというか・・・。
風邪でも引いたかな?